株式会社の支店登記
支店とは
「支店」とは、本店とは別に独自に営業活動を決定し、対外的な取引をなし得る実質を備えるものなどとされていますが、会社法においても厳密に定義されているわけではありません。
営業担当者の詰め所的な営業所や、出張所のような支店としての機能を有しないものは支店とはいえませんので、そのような拠点については支店登記を要しません。
支店設置の登記をするとどうなるの?
- 支店の登記がある場合、その支店所在地を営業拠点とする支配人の登記をすることができます。
- 支配人は営業拠点について会社を代表する権限を持ちます。
- 支配人は法務局に印鑑登録をすることができますので、支店において印鑑証明書が必要な業務(契約締結など)を取り扱うことができます。
- 支店設置や移転、廃止をした場合には、税務署、労働基準監督署、公共職業安定所、社会保険事務所などへの手続きが必要になります。
- 会社の計算書類、株主総会議事録、定款などを本店のほか、支店にも備え置くことになります。
支店設置の決議機関
支店の設置のためには、取締役会の決議(取締役会非設置会社は取締役の過半数の一致)により、支店の設置時期・場所を決定します。
支店設置の登記手続
支店設置の登記は、設置する支店が本店の所在地と同一の管轄区域内に設置するか、管轄区域外に設置するかによって、手続きが異なってきます。
1.管轄区域内に支店設置する場合
取締役会の決議(取締役の過半数の一致)をもって、支店の設置時期、場所を決定します。
本店所在地を管轄する法務局に対して、支店を設置した日から2週間以内に登記を申請しなければなりません。
必要書類
- 取締役会議事録(取締役会非設置会社は取締役の過半数の一致を証する書面)
- 司法書士への委任状
登録免許税
支店設置の登録免許税は、支店1か所につき6万円です。
2.管轄区域外に支店設置する場合
本店所在地を管轄する法務局の管轄区域外に新たに支店を設置する場合は、支店を設置した日から、本店所在地を管轄する法務局には2週間以内、支店所在地を管轄する法務局には3週間以内に、支店設置の登記をしなければなりません。
必要書類
- 取締役会議事録(取締役会非設置会社は取締役の過半数の一致を証する書面)
- 本店の所在地で行った登記を証する書面(登記事項証明書)
- 司法書士への委任状
登録免許税
本店所在地を管轄する法務局と、支店所在地を管轄する法務局が異なる場合は、それぞれの法務局に登記申請いたしますので、登録免許税も以下のとおり法務局ごとに納付することになります。
本店所在地を管轄する法務局
6万円
支店所在地を管轄する法務局
9000円