合同会社の社員変更

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合同会社の社員の種類

合同会社の社員とは、会社への出資者のことです。
合同会社の場合、次の三種類の社員があります。

  1. 業務を執行しない社員
  2. 業務執行社員
  3. 代表社員

合同会社において、出資者である社員は基本的に業務執行権限を持つ業務執行社員となります。業務執行社員は登記事項となりますので登記されます。

社員が複数いる場合は、定款に定めることにより業務を執行しない社員を置くことができます。
業務を執行しない社員は、社員として登記されません。
したがって、社員が複数いる場合、出資はしているが社員として登記されない社員を置くこともできるということになります。

業務執行社員が一人の場合は、自動的にその社員が代表社員となり、会社代表権限を持ちます。
業務執行社員が複数いる場合には、その中から代表社員を選任することができます。

代表社員の選任方法は、(1)定款に代表社員を定める方法(2)定款の規定にもとづく業務執行社員の互選にもとづく選任による方法の二つがあります。

(1)の方法では、総社員の同意により定款変更を行い、代表社員を定款に定めることになります。

(2)の方法では、定款に「代表社員は業務執行社員の互選を持って定める」旨の規定があることが前提であり、その定款規定に則って、業務執行社員の互選(過半数の賛成で成立)によって代表社員を選任することになります。

よく比較対象として、株式会社の株主と役員があります。株式会社の場合は、法制度上、資本と経営が分離しているため、出資者である株主が必ずしも役員になるわけではありませんし、逆に、定款で禁じていない限り、一株も持っていない(株主ではない)者でも、株主総会で役員に選任することはできます。
合同会社の社員は、原則として出資者と役員を兼ねた立場になります。
業務執行社員・代表社員は出資者でもあり、株式会社のように資本と経営は分離していない会社形式と言えます。

社員の加入・退社による変更登記

合同会社の社員が変わる場合として、社員の加入による場合と社員の退社による場合の二種類があります。

社員の加入

社員の加入する場合として、新たに出資する者が現れてその者が社員になる場合と、既存の社員からその社員持分を譲り受けることによって社員になる場合があります。

新たな出資による場合は、加入する社員が現金もしくは現物出資による出資をしますので、社員の変更に加えて資本金の額の増加の登記をすることになります。

持分の譲り受けによる場合は、新たな出資はされずに、持分を譲り受けた者はその対価(代金)を譲り渡した社員に支払うか、あるいは無償で譲り受けることになりますので、持分譲り受けの前後で合同会社の資本金の額が変わりません。
この場合、登記申請する登記は社員の変更登記だけです。

社員の退社

「社員の退社」と言う言葉を目にすると、世間一般では従業員が会社を辞めること、と思われることが多いと思いますが、会社法上の意味は、出資者である社員がその出資を会社から引き上げて、出資者では無くなるということです。

社員の主な退社事由として、任意退社(会社法606条)と法定退社(会社法607条)があります。

任意退社

任意退社とは、任意で社員が退社することですから、退社したい社員がその意思にもとづいて合同会社から退社することです。

会社法第606条(任意退社)
持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができる。この場合においては、各社員は、6箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければならない。
2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。
3 前二項の規定にかかわらず、各社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。

法定退社

法定退社は、会社法や定款で定める一定事由が発生した場合に、自動的に退社してしまうことです。
条文の規定は次のとおりです。

会社法第607条(法定退社)
社員は、(中略)、次に掲げる事由によって退社する。
一 定款で定めた事由の発生
二 総社員の同意
三 死亡
四 合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る。)
五 破産手続開始の決定
六 解散(前二号に掲げる事由によるものを除く。)
七 後見開始の審判を受けたこと。
八 除名
2 持分会社は、その社員が前項第五号から第七号までに掲げる事由の全部又は一部によっては退社しない旨を定めることができる。

退社にともなう持分の払戻し

退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払い戻しを受けることができます。
(一方で、持分の譲り渡すことによって退社する社員は、譲り渡しの対価は譲り受けた者から受け取りますので、会社からの払い戻しはありません。)

持分の払い戻しは出資の種類(現金出資・現物出資)を問わず、金銭でしてもらうことができます。
この場合、退社した社員が出資していた金額に応じて、合同会社の資本金の額が減少することなります。
したがって、出資の払戻しが発生する社員の退社の場合は、社員の変更とともに資本金の額の減少登記も申請します。(ただし、持分の譲り渡しによる退社の場合を除く)