有限会社その他の登記
会社法の施行移行、既存の有限会社は株式会社とみなされこととなりました。
ただし、「会社法の施行に伴う関係法令の整備等に関する法律」の定めに従って、既存の有限会社は法律上「特例有限会社」と称され、特例として次のような点で株式会社とは登記面で異なる取扱いがあります。
特例有限会社と株式会社の違いについて
以下のとおり、特例有限会社と株式会社との主な相違点についてご説明いたします。
設 立
会社法施行後に有限会社を新たに設立することはできなくなりました。
商 号
商号中に「有限会社」という文字を必ず入れなければなりません。
その範囲内で商号変更の登記は可能です。
なお、特例有限会社が株式会社を称するためには、株式会社への移行の登記をする必要があります。
株式の譲渡制限の定め
株式譲渡制限規定はその内容が法定されており、法令と異なる定め方はできません。
特例有限会社は、株式譲渡制限規定について次に掲げる定めがあるものとみなされます。
当会社の株式を譲渡により取得することについて当会社の承認を要する。当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては当会社が承認したものとみなす。
株主総会
特例有限会社にも株式会社と同様に株主総会が機関として置かれます。
役 員
特例有限会社には取締役を1名以上を置かなければなりません。
監査役の設置は任意です。定款に監査役を置く旨を定めることにより設置することができます。
各取締役は氏名の他に住所も登記事項となります。代表取締役は氏名だけが登記事項です。
監査役も住所・氏名が登記事項です。
特例有限会社に置くことができない機関として取締役会・会計参与・会計監査人などがあります。
特例有限会社の役員には任期の定めがありませんので、株式会社のように任期満了にともなう役員変更の登記をする必要はありません。
役員が辞任などによって退任したり、新たに役員を選任する場合にはその登記を申請しなければならないことは、株式会社と変わりありません。
計算書類の公告
特例有限会社は、定時株主総会で承認を受けた貸借対照表を公告する必要はありません。
その他
商号変更、本店移転、目的変更、新株発行による増資の登記、資本減少の登記、役員の就任・退任にともなう登記、支店の設置・廃止、支配人の設置・廃止など、ほとんどの変更登記は株式会社と同様に登記申請できます。