遺産分割協議とは
遺産分割協議とは
被相続人(亡くなった方)が遺言書を残されていない場合は、法律で決められた法定相続分を相続することもできますが、法定相続分とは違う形で相続したい場合は、遺産分割協議をすることになります。
例えば、遺産が不動産と現預金・株式など数種類にわかれている場合、遺産分割協議をすることによって、その遺産の種類ごとに相続する人を決めることができます。
遺産分割協議というのは、相続人全員が集まって、遺産をどのようにして具体的に分けるかについて話し合うことを言います。
相続人が一人でも欠けていれば遺産分割協議は成立しません。
遺産分割協議をする前に確認・注意すべき点
- 協議に参加する相続人が相続人として間違いないかどうか?
他に相続人になる者が本当にいないかどうか? - 遺産とされる財産は間違いなく亡くなった人のものかどうか。
または他に遺産はないかどうか? - 亡くなった人の生前中に、結婚資金や独立資金を受けていた相続人はいないかどうか。
その結果、相続分について争いはないかどうか?
これらの問題をクリアにしてから遺産分割協議に入らないと、協議そのものがまとまらないことあります。
相続人全員による遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申立てることができます。
しかし、上記の根本的な問題をクリアにして遺産分割に望まない限り、調停をしても成立しないばかりか、親族間の紛争(裁判)にまで発展する可能性がありますので注意が必要です。
遺産分割協議書の例
遺産分割協議書の一例をご紹介いたします。
相続財産が不動産の場合で、相続人3人のうち、2人が2分の1ずつ相続することを内容とするものです。
遺 産 分 割 協 議 書
令和◯年◯月◯◯日、○○市○○町○番地 甲野太郎 の死亡によって開始した相続の共同相続人である甲野花子、甲野一郎及び甲野温子は、本日、その相続財産について、次のとおり遺産分割の協議を行った。
相続財産のうち、下記の不動産は、甲野一郎(持分2分の1)及び甲野温子(持分2分の1)が相続する。
この協議を証するため、本協議書を3通作成して、それぞれに署名、押印し、各自1通を保有するものとする。
令和◯年◯月◯日
○○市○○町二丁目12番地 甲野 花子 (印)
○○郡○○町○○34番地 甲野 一郎 (印)
○○市○○町三丁目45番6号 甲野 温子 (印)
記
不動産
所 在 ○○市○○町一丁目
地 番 23番
地 目 宅地
地 積 123.45平方メートル
所 在 ○○市○○町一丁目23番地
家屋番号 23番
種 類 居宅
構 造 木造かわらぶき2階建
床 面 積 1階 43.00平方メートル
2階 21.34平方メートル
不動産の相続登記に使用する遺産分割協議書には、遺産分割協議を行った相続人が実印を押印し、全員の印鑑証明書(当該協議書に押印された印鑑の証明書です。)が必要となります。
この印鑑証明書は作成後3か月以内のものでなくても差し支えありません。