相続登記と戸籍収集(その4)

司法書士ブログ

残暑厳しい日々が続いています。
いつになったらこの暑さは和らぐのでしょうか。

さて、相続登記と戸籍収集の続きです。
今回は、誰についてどの程度の範囲の戸籍を取得すればいいのか、について書いていきたいと思います。

まずは亡くなられた方(被相続人)について。

ちなみに、亡くなられた方の事を法律用語で、「被相続人(ひそうぞくにん)」といいます。

この亡くなられた方(被相続人)については、原則として、「生まれてから亡くなるまで」の戸籍の謄本を取得します。

どうして出まれてから亡くなるまでの全部を取得しなければならないかといえば、それは、亡くなられた方の相続人(妻や夫、子供など)が誰なのかを、戸籍という客観的な資料から確定させる必要があるからです。

そして戸籍というものは、結婚すれば、親の戸籍から転出して新しい戸籍が作られますし、転籍(本籍地を移転)すれば転籍先の市区町村に新しい戸籍が作成されます。
また、年代によっては、戸籍が新しい様式に改製されることもあります。もちろん、その場合も新しい戸籍が作られます。

このように、個人の戸籍は結婚、転籍、改製などにより、新しいものが次々と作られていくことになります。

戸籍制度がこのようになっているため、「出まれてから亡くなるまで」の戸籍謄本をさかのぼって取得しようとすると、大抵のケースでは、何通もの戸籍謄本を取得することになるんです。

結婚や離婚を繰り返していたり、転籍をしていた方ですと、その回数だけ戸籍謄本を請求する回数も増えますので、全部取得できるまでけっこうお時間がかかるかもしれませんね。

ここで、戸籍を取得する際のちょっとしたテクニックですが、
役所で、亡くなられた方(被相続人)の戸籍を取得するときは、「相続登記で使いますので、生まれてからから亡くなるまでの戸籍を全部出して下さい。」と伝えると、役所の職員にもわかりやすいと思います。

さて、とりあえず亡くなられた方の戸籍の取り方は分りましたが、その一方で、相続人(遺産を引き継ぐ方)の戸籍も取得する必要があります。

これについては、ブログが長くなりましたので、またまた次回に続きます。