【書評】戦いたくない士業のためのストレスフリー仕事術

読書をする女性

士業で独立開業したい人「営業ガンガンの事務所経営をしたくない。ストレスフリーで士業事務所を運営する方法を知りたい。ひとり事務所ってどんな感じなのだろうか。どうやって仕事をとり続けることができるのかな?」

こんな疑問にお答えする本を今回ご紹介いたします。

こんにちは諌山(いさやま)です。

私もひとり士業事務所を経営しています。この記事を書いている時点で10年目です。

今回はこの書籍の一部をご紹介しながら、私の経験と照らし合わせながら本の感想を述べていきたいと思います。

この書籍の概要(ピックアップ)

やりたくないことをやらなければいいだけ

「専門特化」

みんなが進む広い道ではなく、あまり人が通らないせまい道を進んで差別化する方法です。

おしなべて「なんでもできます」と言っている事務所は特色が出てきませんので、他の事務所と比較されたときに価格競争に巻き込まれることになってしまいます。

ですが、「事務所を始めたばかり」だったり、「今はなんの特色もない事務所」だったらどうすればいいのでしょうか?

著者はそんな場合に以下の解決法を示しています。

やりたくないことをやらなければいいだけ

こんなことはやりたくないな、というものをピックアップしてそれを外していけばいいという方法です。

著者の場合は、金融機関と不動産業者への営業はしなかったそうです。

いずれも司法書士にとっては不動産登記の依頼主になります。
その一方で、司法書士が下請け仕事の発注先みたいになってしまう一面もあります。

私(諌山)の場合

私の場合は、金融機関への営業はしていませんが、開業当初は不動産業者に営業をしたことがありますね。ちなみに飛び込み営業です。

何十軒もまわって1、2件は取引してもらえるようになりました。もちろんありがたいことです。その一方で、営業した割には効率はよくなかったです。

ホームページからの集客もしていますが、業務内容をある程度しぼって業務案内を載せているのは、本の筆者と同じです。

時給よりも永給を大切にしたい

この仕事、今はお金にならないかもしれないけど、自分の人生を考えてみたらもの凄いプラスになるのではないか。そんな仕事、ありますよね。

「今回の依頼は安い単価だけど、なんだか面白そうな仕事だな。」こんな仕事の依頼はたまにあります。

あるいは「あんまりやったことがないけど、将来性ありそうな仕事だ。」という場合もあると思います。

こんなときに「安いから、あんまりやったことがないから。」と言って尻込みしてしまうのはもったいないということです。

時間給ばかり気にしていたら逆に大きなものを失う可能性あり

自分の仕事の新しい間口を開いていくチャンスがありましたら、とりあえず飛びついてみるのも良いと思います。

そんなチャンスを拾いながら、ひとつひとつの案件に誠実に対応していくと、信用と信頼が積み重なってきて、リピーターやあなたのファンが増えてきます。これは私も実感しています。

単発の仕事でも、信用と信頼をストックし続けている結果、再度のご依頼をや紹介をいただくことにつながっていると思います。

雇わない「ひとり事務所」という選択肢

考えている人

ひとり事務所のメリットはたくさんありますが一番のメリットはやはり何といっても「コスト」です。

これは私も実感するところです。

なんと言っても人件費がかからない。当たり前ですが。

あと、広いオフィスや雇った人数分の設備投資もいらないです。

それに、人を雇っている事務所や会社は、給料とか福利厚生費のようなお金の部分だけでなくて、「人間関係がいまひとつ」とか「仕事しない」というふうな、いろんな悩みを抱えていることが多いですね。

人目指す事務所の方向性による

もちろん、人を雇うかどうかは、事務所を経営する人の性格や能力によりますので、ひとり事務所が絶対的に良いとは断言できないです。

世の中を見ていると、人を雇って動かすことが、とっても得意で楽しそうな経営者もいますので(笑)。

このあたりは、どのような事務所を目指すのかによります。

「労働集約的な業務をメインに集めていく」のか、それとも「一人や少人数で専門特化した業務を取り扱っていく」のか、経営者の方向性にかかってくる部分だと思いますね。

売り込まないマーケティングとコミュニケーション

紹介で仕事が途切れなければ、マーケティングもセールスも不要になります。

そのとおりで、ぐうの音も出ません。

ですが、その一方で「じゃあ、事務所をはじめて最初の仕事ってどうやって取ってくるのか?」という素朴な疑問もあると思います。

この本の筆者も、開業当初は紙媒体の広告を打ったり、ウェブサイトからの反響をねらったり、いろいろやっていたみたいです。

私(諌山)の場合

私の場合は、飛び込み営業や、知人や以前の仕事仲間からのご紹介や、筆者と同じくウェブサイト(ホームページ)ですね。

いろいろやってみて、少しづつ出てきた仕事を大切に扱っていくうちに、だんだんと紹介が増えてくる。そんな感じでしょうか。

じゃあ、どうやって紹介が増えてくるのか?そのプロセスについても筆者は述べています。

満足度が高くなった結果、「口コミ・リピート・紹介」が発生するということですね。

ではどうすれば満足度を高くできるのか。重要なことですが簡単にできることがあります。「お客様が自分に何を期待しているのか、常に気を配ること」です。

ただ単に頼まれた業務をこなすだけだけでは高評価は得られません。

「お客様は何をしてあげると喜ぶのか?」そこを考えてみることが、満足度アップにつながるということです。

筆者の場合は、紹介が続く秘訣の一つに「即レス」を挙げています。

お客様への対応が丁寧であることはもちろんですが、それ以上に大切なのが素早く対応することです。

たしかにそうです。
私がお客さんの立場になって考えてみればわかります。

レスポンスの良い対応をしてもらえると普通にうれしいです。

私(諌山)の経験から

士業事務所は「即レス」はあまり得意にしていないところが多いみたいですので、簡単なことですが差別化につながります。

私も「即レス」をすると、お客様はとても喜んでいただけます(断言)。

まとめ

関連記事
サラリーマンが副業として司法書士はできるのか?
司法書士の平均年収と本音を語ります【一攫千金ではなく地道に】

RELATED