会社の登記簿謄本の取り方を徹底解説します
会社員「会社の登記簿謄本(登記事項証明書)を取ってこいと言われた。登記簿謄本ってどんなもの?どこで、どうやって取ればいいのか?私でも取れるのか?手数料はおいくらなのか?」
この記事の筆者
こんにちは、諌山(いさやま)です。
2008年から司法書士をやっています。
司法書士は会社登記や不動産登記の専門家です。
仕事がら、会社の登記簿謄本(とうきぼとうほん)はいつも取得しています。
この記事の概要
- 会社の登記簿謄本の見本はコレです
- どこの法務局でも取れます
- だれでも取得できます
- 取り方はカンタンです。持ち物は手数料分のお金だけ
- まとめ
会社の登記簿謄本の見本はコレです
会社の登記簿謄本とは、法務局という役所が発行した「会社の登記の内容が書いてある証明書」のことです。
会社の商号や、本店(会社所在地)、事業目的、役員の氏名などが載っています。
現在の正式名称は「登記事項証明書」と言います。
会社の登記簿謄本(登記事項証明書)の見本です↓
「登記簿謄本」と「登記事項証明書」は同じものなのか?
通称として「登記簿謄本(とうきぼとうほん)」、あるいは略して「謄本(とうほん)」と呼ばれています。
現在の正式名称は「登記事項証明書(とうきじこうしょうめいしょ)」です。
昔は会社の登記は、紙でできた登記簿に記録されていました。
紙の登記簿をコピー(謄写)したものに役所である法務局が証明印を押して、会社の登記簿の内容を証明していたのです。
証明印が押された登記簿のコピーのことを「謄本」と呼んだことから、現在でも「登記簿謄本」・「謄本」と呼ばれることが多いのです。
現在は、会社の登記はコンピュータデータ化されていまして、会社の登記内容を法務局が証明したものは、正式には「登記事項証明書」と呼ばれています。
どこの法務局でも取れます
会社の登記簿謄本(登記事項証明書)は、日本全国にあるどこの法務局で取得できます。
会社の所在地から離れたところにある法務局でも取得できます。
会社の登記はコンピュータデータ化され、オンラインで法務局間でやりとりされています。
そのため、会社の所在地から離れた法務局でも取得できるのです。
法務局の所在地は「法務局」のホームページで確認できます。
お近くの法務局をお探しください。
関連リンク
法務局ホームページ「管轄のご案内」
だれでも取得できます
会社の登記簿謄本(登記事項証明書)は、だれでも取得することができます。
会社の経営者の方が、忙しくて法務局に行く時間がない場合は、従業員や第三者に取得を頼むことができます。
だれでも取得できますので、他社の登記簿謄本を取ることもできます(!)
取り方はカンタンです。持ち物は手数料分のお金だけ
法務局に行って登記簿謄本を取ってくるという、いちばん基本的でわかりやすい取得方法について述べていきます。
(郵送申請やオンライン申請は今回の記事では割愛です。)
法務局の開庁している時間帯に行く
法務局の開庁時間は、以下のとおりです。
平日の午前8時30分〜午後17時15分(原則)。
土日・祝祭日、年末年始の休業期間は開庁していませんのでご注意ください。
法務局に持っていくものは?
法務局に持っていくものは、登記簿謄本の発行手数料分の現金だけです。
(登記簿謄本は1通600円)
ハンコ、印鑑は持っていかなくても大丈夫です。
会社の印鑑カードは持っていくのか?
登記簿謄本を取得するだけでしたら、会社の印鑑カードはなくても大丈夫です。
会社の印鑑カードは、「会社の印鑑証明書」を取るときに持っていく必要があります。(印鑑証明書は1通450円)
法務局の間取りはだいたいこんな感じです。
市役所とか区役所に似ています。印紙売場は法務局のなかにあることがほとんどです。
「記入台」・「印紙売場」・「登記簿謄本発行(窓口)」・「不動産登記受付」「会社法人登記受付」があります。
小さめの法務局のよくある間取り図
法務局の中はいくつかの窓口に分かれていますが、会社の登記簿謄本の発行を取り扱っている窓口にいきましょう。
記入台のところで申請用紙に記入します
中に入りますと、「記入台」のすぐ近くに、いろんな種類の申請用紙が置いてあります。
その中から「会社法人用の登記事項証明書・交付申請書」を見つけます。
記入するためのボールペンは、記入台に備え付けてあります。
(会社法人用の登記事項証明書・交付申請書の例)
用紙に記入する内容を少し詳しく解説します
用紙の一番上の「窓口に来られた人」のところは、法務局にやってきた「あなたの住所・氏名」を記入します。
「商号・名称」には、謄本を取得したい会社の名前を書きます。
「本店・主たる事務所」には、会社の住所を書きます。
「商号・名称」は、会社の種類を表す部分(株式会社、有限会社、合同会社など)も省略せずに記入しましょう。
「本店・主たる事務所」の中のうち「丁目」や「番地」は(〇〇市〇〇1-1-1)のように省略した書き方でもオッケーです。
「会社法人等番号」という欄もありますが、ここは書かなくても大丈夫です。
取得する登記簿謄本の種類を選ぶ欄があります。
もし、取りたい謄本の種類で迷いましたら、「①全部事項証明書(謄本)」の「履歴事項証明書」で構いません。
「履歴事項証明書」の頭に付いているチェックボックス(□)にチェック(✔︎)を入れましょう。
「請求通数」のところに、取得する謄本の通数も書きましょう。
「履歴事項証明書」とは?
履歴事項証明書とは、これまでの会社登記の変更の履歴も含めてすべて記載された謄本のことです。
「現在事項証明書」という欄もありますが、ここにチェックを入れると、現在の役員や商号だけが記載された登記簿謄本が発行されます。
そのほかにもいくつか謄本・抄本の種類はありますが、ほとんど使う機会がありませんで、詳しい説明は省略します。
用紙への記入のあと、収入印紙を購入
謄本の発行手数料は収入印紙で納めることになります。
収入印紙は「印紙売場」で販売しています。
印紙売場は法務局の中にある場合がほとんどですが、もし見当たらない場合は、職員に聞いてみてください。
会社の登記簿謄本は1通600円になります。
購入した収入印紙は交付申請書の右側の欄に貼り付けます。
会社の印鑑証明書を取得したいとき
「印鑑証明書の交付申請書」という用紙に記入します。
この用紙も法務局の中にあります。
会社の印鑑証明書は、1通あたり450円の収入印紙が必要になります。
記入した交付申請書をカウンターに提出
交付申請書への記入と、収入印紙の購入が済みましたら、カウンターの中にいる職員に交付申請書を提出します。
職員から「番号札」を渡されると思います。
そのままベンチに座って、まったりとした気分で待っていると、番号を呼ばれますので、会社の謄本をお受け取りください。
証明書発行請求機というタッチパネル付きの機械について
発行請求機を使えば、交付申請書に手書きに記入しなくても、登記簿謄本の発行を申請できます。
法務局によっては「証明書発行請求機」という機械が置いてあります。こんな感じの機械です。
証明書発行請求機のイメージ図
発行請求機にはタッチパネルが付いていまして、画面の説明にしたがってタッチ操作することで発行請求できるのです。
発行請求機と法務局の窓口の距離は近いですが、オンラインでつながっていますので、謄本を受け取るまでの待ち時間が短くなるメリットがあります。(本当です)
タッチパネルの操作で手間取って、かえって時間がかかってしまう場合もあるかもしれません。そのときは笑って過ごしましょう。
まとめ
- 会社の登記簿謄本の見本はコレです
→会社の商号・所在地・役員などが書いてあります。 - どこの法務局でも取れます
→登記簿謄本・印鑑証明書はどこの法務局でも取得できます。 - だれでも取得できます
→経営者でなくても、従業員や第三者でもオッケーです。 - 取り方はカンタンです。持ち物は手数料分のお金だけ
→会社の登記簿謄本は、手数料分のお金だけ。
→会社の印鑑証明書は、印鑑カードも必要です。
最後までご覧くださいましてありがとうございます。
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