過払い金請求はいつからの借入れだったらできるのか?【デメリットも解説】

過払い金請求

クレカ・消費者金融から高金利の借り入れをしていた人「クレジットカードや消費者金融から借りてたことがあるけど、過払い金(かばらいきん)ってまだ請求できるのかな?いつからの借り入れだったら過払い金を請求できるのかな?過払い金を請求すると、なにかデメリットがあるのかな?」

そんな疑問にお答えしたいと思っています。

このブログの筆者について

こんにちは諌山(いさやま)です。

私は長いこと債務整理専門の大手司法書士事務所や、債権回収会社に勤めていたことがありました。

日々、お金を借りて返すことができなくなった人や、そのご家族の疑問や質問を受けてました。

この記事の概要です

早速ですが、解説に入りたいと思います。

過払い金(かばらいきん)請求ができるしくみ

利息制限法という法律で定められた利率を超えた支払った利息は、その超過した部分を返還請求できる場合があります。

グレーゾーン金利について

利息制限法の金利を超えているけど、「出資法」で定められた金利29.2%以下の利率で受け取っている金利のことを「グレーゾーン金利」と呼んでいます。

「利息制限法」という法律によると、たとえば10万円以上100万円未満のお借り入れの場合は、利息は年18%と定められていました。

ただし、クレジットカード会社や消費者金融会社のような貸金業者の場合は、例外がありまして、それは、「出資法」という別の法律によって上限利率が29.2%と定められていました。

じゃあどちらの法律が正しいかと言えば、どちらも以前は正しかったのです。

利息制限法の利率を超えた利率であっても、お金を借りた人が任意で(自分の意思で)支払えば、貸金業者は出資法で定めた29.2%までは受け取ってもよかったのです。

グレーゾーン金利の表

最高裁の判決で、過払い金返還請求できるようになった

そんな中、2006年(平成18年)の最高裁の判決によって、利息制限法で定められている上限利率を超えるグレーゾーンの金利部分は返還請求できるようになりました。

この返還請求できるようになった金利部分を過払い金(かばらいきん)と呼びます。

さて、実際の過払い金請求の現場を経験してきた私ですが、2008年(平成20年)前後は過払い金請求をする人がものすごく多くなりまして、大変いそがしかったです。

何年間にもわたってカード会社からキャッシングを続けていた人の中には、100万円単位で過払金を取り戻すことができたケースもありましたね。

でも、だいたいのケースは10万円~20万円くらいが多かったかなあと思います。
(もちろんケース・バイ・ケースです。)

いつからの借り入れだったら過払い金を請求できるのか?

2007年(平成19年)以前の借り入れだったら、過払い金が発生している可能性が高いです。

その一方で、2008年以降に借り入れをはじめたケースは、過払い金は発生することは少ないと思います。

なぜなら、2006年(平成18年)に、グレーゾーン金利部分の過払い金返還請求が本格化しましたが、翌年の2007年(平成19年)には、アコム・アイフル・武富士・プロミスなど大手の消費者金融会社が、貸し出し金利を軒並み18%以下に引き下げたからです。

出資法の改正後は、20%を超える金利はすべて刑事罰の対象です

なお、2010年(平成22年)には、改正された出資法が施行(法令の効力が現実に発生)されまして、20%を超える利率は刑事罰の対象となっています。

法改正後の金利の表

ちなみに、銀行系カードローンの場合はもともと利息制限法の範囲内の利率でしたので、過払金は発生しません。

クレジットカードの利用であっても、ショッピング枠の利用は、利用者のお買い物代金をカード会社が立て替え払いした後の「立替金」になります。

そして、カード利用手数料はあくまでも立替払いの手数料であり、利息にあたりませんので、過払い金は発生しません。ご注意ください。

過払い金請求のデメリット

完済後の過払い金請求でしたら、デメリットはほとんどありません。

完済後の過払い金請求でしたらブラックリストにも載りません。
金融機関が共有している信用情報に事故情報として登録されない扱いとなっています。

ただし、クレジットカードの場合はそのカードは解約になりますので、クレジットカード払いになっている毎月の支払いがありましたら、他にお持ちのカードに切り替えたほうがいいです。

例:電気光熱費、スマホなどの携帯料金、インターネット回線使用料、アマゾン・楽天の買い物代金とかで、カード払いにしている場合など。

完済していない借り入れの場合は?

「じゃあ、まだ完済していない借り入れの場合はどうなるのか?」というご意見もいただけそうなので、ご説明いたします。

完済前、つまり今もお取引が続いている場合は注意が必要です。

過払い金が発生していたとしても、現在の借り入れの残高を上回る金額が出ない場合は借金が残ることになります。

そして残りの借金については、通常の債務整理の扱いになりまして、金融機関の間で共有される信用情報に、そのことが登録されますのでご注意ください。

同様に、カードのショッピング枠を使って利用残高がある場合には、先にショッピング枠の利用残高を返して0円にしてから、過払い金請求をすることをおすすめします。

【残念なお知らせ】過払い金の時効・倒産した貸金業者あり

過払金が発生するような取引があっても、過払い金の返還請求には時効があります。
あるいは、過払い金を請求する先である貸金業者が倒産している場合もあります。

これらについて述べていきたいと思います。

過払い金請求には時効があります

何ごとでもたいていは時効がありますが、過払い金についてもそれは同じです。

いつから時効になるかといえば、最後の取引日から10年間経過すると時効によって過払い金請求は消滅してしまいます。

完済している場合は、完済した日から10年ということです。

現在も貸金業者との間で借り入れがある(取引している)場合は、その取引をやめた日から10年になります。

過払い金の時効について、よくある勘違い

よくある勘違いですが、2006年(平成18年)の最高裁の判決(過払い金返還請求ができることが明白に認められた判決)が出た日から10年経つと時効になってしまって、もう請求できないと思っている方もいますが、そうではありません。

あくまでも、貸金業者との最後の取引日から10年間経つと時効ということですので、お間違えないようにしてください。

倒産した貸金業者もある

2006年(平成18年)以降、クレジットカード会社や消費者金融会社に対する過払い金請求が殺到したことから、資金不足になって倒産した貸金業者がいっぱいあります。

倒産の前後で他の貸金業者に案件を譲渡(債権譲渡)している場合

武富士、三和ファイナンス、アエルなどなど・・・・・
こういった倒産する貸金業者は、倒産の前後で、利用者に貸し付けている手持ちの案件を、他の貸金業者に譲渡(債権譲渡)することが大半です。

そして、本来はその債権譲渡した先に過払い金請求をできたら良いのですが、請求できる場合と請求が難しい場合があります。

債権譲渡する前にすでに発生している過払い金は、譲渡先の会社には承継されないのが基本です。

その一方で、債権譲渡後に過払金が発生しているケースは、もちろんその譲渡先に請求できますが、すでに貸し出し金利が引き下げられていることが多いことから、これはレアケースになると思われます。

「契約切り替え」の場合もあります

債権が譲渡されたケース以外には、譲渡ではなく「契約を切り替えた」ケース(プロミスなど)もありますので、この場合は過払い金請求できる可能性があります。

というふうに、さまざまなケースが考えられますので、この過払い金請求ができる・できないの判断は、一般の方が判断するのはとても難しいのが実情です。

「契約切り替え」の案件は、かならず裁判を起こして業者を訴える必要がありますので、専門家の手を借りないと厳しい結果になることがほとんどです。

過払い金返還請求の手続きの流れ

さて、過払い金請求ってどんな手続きをするのか、その流れについて述べていきます。以下の手順は、債務整理専門の事務所に依頼している場合でも、事務所スタッフが同じことします。

  1. 取引履歴の取り寄せ
  2. 引き直し計算
  3. 過払い金の返還請求
  4. 返還請求に応じない場合は裁判を起こす

それぞれの手順について解説します。

1.取引履歴の取り寄せ

最初にすることは、クレジットカード会社や消費者金融に、これまでの借りたり返したりの記録である「取引履歴」を取り寄せることになります。

ちゃんとした貸金業の登録をしている会社でしたら、取引履歴の開示の問い合わせに対応しないと法律違反になりまして行政処分を受けますので、通常は開示してもらえます。

2.引き直し計算

開示してもらった取引履歴の中から、利息制限法で定められた利率を超えて支払っている利息(グレーゾーン金利)の部分がありましたら、利息制限法で定められた利率に引き直し計算をします。

通常は、専用の業務用ソフトやエクセルなどで計算しますが、同じことを一般の方がすると、まあまあメンドウな作業になると思います。

3.過払い金の返還請求

引き直し計算をしたところ、過払い金が発生していることがわかりましたら、クレジットカード会社や消費者金融会社に過払い金の返還請求をします。

ですが、こういった貸金業者の中には、話し合いで解決することを目指したくても、まったく返還に応じてこない会社もあります。
その場合は裁判を起こすことになります。

4.返還請求に応じない場合は裁判を起こす

話し合いで過払い金を返還してもらえない場合には、裁判を起こして請求をすることになります。

裁判を起こすと、貸金業者からさまざまな反論を書いた書面を出してくる場合があります。

貸金業者の反論は法律の専門家から見ると、ほとんどヘリクツのようなものが多かったりしますが、一般の方が業者の反論についてひとつひとつ理解しながら、再反論の書面を裁判所に提出するのは、かなりメンドウな作業になります。

正直なところを述べますと、一般の方が過払い金の裁判を起こして、続けていくのは荷が重い作業だと思っています。

もし、ご自分で過払い金の裁判を起こすのでしたら、裁判を続けながら途中で業者と交渉を重ねてみて、納得できそうな金額の提示を受けられときに、早めに業者と和解をする方法があります。

裁判を起こしても、かならず判決まで進むわけではありません。
むしろ途中で業者と和解を結んで、早期に解決するケースのほうが多いです。

まとめ

だいぶん前に借り入れしていた時期がある、あるいは、結構長い年月クレジットカードや消費者金融会社から借り入れしている場合は、調べてみると過払い金が発生していることがあります。

今回も最後までご覧いただきましてありがとうございました。

債務整理専門の弁護士事務所のご紹介

シン・イストワール法律事務所※破産を押し付けないポリシーの事務所です。全国対応しています。

おすすめ人気記事
司法書士の平均年収と本音を語ります【一攫千金ではなく地道に】
サラリーマンが副業として司法書士はできるのか?

関連記事
債務整理するときのクレジットカード・家族への影響について【よくある質問】
何度も任意整理はできるのか【再和解という方法】

RELATED

LINEで送る