登記を自分でする方法【司法書士に頼らない】
記事の概要
司法書士に頼らずに、自分だけで登記をする方法についてポイントを絞って解説します。
司法書士事務所を開業して今年で10年目に入りました。
日々の業務をしていて、感じたこと考えたことをブログでお伝えしております。
この記事を読むメリット
自分で登記申請をするとき、まず当たるべき情報源と法務局の相談窓口の効率的な利用法が分かる。
そんなこと解説したら、「司法書士の仕事が減ってしまうのでは?」というご意見が出てくるかもしれませんが、私は特に気にしていません。
この記事は、ほぼほぼ集客ではなく良質な情報提供を目的にしています。
ここにたどりついた視聴者は、ネットリテラシーがあり、かつ登記費用を節約したい方だと思います。
ぜひ、解説を聞いてチャレンジしてください。
もしその上で自分で出来なさそうだったら、司法書士に依頼してください。
自分でやった時より、時間の節約にはなります。ただし、司法書士への報酬は必要になります。先にお見積もりをお取りいただいて、ご検討してから、ご依頼してください。
この記事の概要
やるべきことのポイントは次のとおりです。
- 電話相談で自分がするべき登記を特定する
- 申請書は法務局ホームページの申請書のページでダウンロード
- パソコンで記入した後に、法務局の相談窓口に予約してから訪問して相談を受ける
- 相談内容を受けて書類を修正して登記申請する
1.電話相談で自分がするべき登記を特定する
電話相談をするのは、自分がしなければならない登記が何なのか分かる必要があるためです。その整理のためにまず電話相談に電話するのです。
会社の登記でしたら会社登記簿謄本(会社の登記事項証明書)、不動産の登記でしたらその不動産登記簿謄本(土地・建物の登記事項証明書)をご準備いただいた方がお話はスムーズに進むとおもいます。
電話相談は、会社や不動産の所在地を管轄する法務局にお電話されることを強くお勧めします。管轄外のケースには回答してもらえない場合があるためです。
東京法務局の場合は、以下のページに記載がある「登記電話案内室」の電話番号におかけください。
※法務局によっては電話相談では対応していない場合があります。その場合は、管轄の法務局にお問い合わせください。
2.申請書は法務局ホームページの申請書のページでダウンロード
ネットで検索して調べてみると、ネット上にいろんな申請書のひな形が転がっていますが、必ずしも最新の法改正を反映した内容とは限りません。
割と古い情報のままのホームページが多いです。
しかも書類に書き込めるワードファイルで公開しているホームページは少なめです。
そのため、法務局の公式ホームページから登記申請書をダウンロードすることをおすすめいたします。
3.パソコンで記入した後に、法務局の相談窓口に予約してから訪問して相談を受ける
2.でダウンロードした申請書に記入して(プリントアウトして)、先に申請書を作っておけば、相談窓口で一からレクチャーを受ける必要がなくなります。
このときに、会社登記だったら、会社実印を持って行けば、相談を受けてすぐに申請書を出せる可能性が高まります。
不動産登記でも、同様の理由から、印鑑は持っていった方が良いと思います。
相談時間は通常お一人20分程度となっておりますので、相談時間の軽減にもつながります。
会社の登記の相談でしたら、その会社の所在地を管轄する法務局で相談を受けましょう。
不動産の登記の相談についても同様です。
会社登記と不動産登記では同じ住所でも、管轄する法務局が異なる場合がありますので、法務局のホームページをよくご確認してください。
法務局の相談窓口の時間は、平日の午前9時から、午後4時まで(お昼休みもあります)となってますのでご注意ください。
ご参考
管轄のご案内
4.相談内容を受けて書類を修正して登記申請する
法務局の窓口相談を受けて、書類の修正が必要でしたら修正してから登記申請してください。
ところで、法務局のホームページを見ると、オンライン申請という申請方法が紹介されていますが、、この申請をするためにソフトのダウンロードや使い方を理解したり、申請する方の電子証明書の準備など、時間的コストがかかりますので、登記申請をあまりしない方は書類申請がおすすめです。
おすすめの登記
会社の登記や不動産の登記の中で、自分ですることをおすすめできる登記をご紹介します
会社登記
会社登記のうち、自分でしやすい登記を述べたいと思います。
ここでは株式会社の登記の中からおすすめをご紹介します。
1 代表取締役の住所変更、氏名変更
おすすめの理由 申請書だけで変更登記ができるからです。住民票や戸籍謄本はなくてもOKです。
2 会社役員が全員の重任する場合の登記。
おすすめの理由 同じ役員がそのまま再任されることから、役員自体入れ替えが発生せず、申請書の記載内容が定型的で作りやすいからです。
重任とは任期切れになって退任することになる役員が、再び再任されることをいいます。
3 法務局の管轄が変わらない本店移転登記。
おすすめの理由 作成する申請書が新提出する申請書が1通で済むからです。
申請書に添付する書類も、取締役会議事録または取締役の決定書だけで良いからです。
なお、会社の所在地ごとに法務局の管轄も決まっています。
※法務局の管轄が変わる本店移転登記の場合
会社が本店移転(会社の住所を変更する登記)するときに、他の法務局へ移転するときは、新・旧管轄の法務局分として申請書が2枚になります。
移転先の会社所在地を管轄する法務局には、会社実印の届出も必要になりますため、手続きが若干複雑になります。
自信がある方はチャレンジしてみても良いと思います。
不動産登記
所有者の住所変更登記
おすすめの理由 申請書の添付書類が住民票で済む場合がほとんどだからです。
たとえば、住宅ローンを完済して抵当権抹消登記をするとき、不動産登記簿に記載された所有者の住所が現住所と違うときは、住所変更登記を合わせてする必要があります。
どうせすることになるなら、お引っ越ししたときに不動産の登記の方もやっておこう、ということです。
上記以外の登記について
上記のとおり、おすすめの登記を述べましたが、法務局のホームページには、これ以外の登記申請書のひな形がいっぱいありますので、これも自分でできるのじゃないかと思われる方がいらっしゃるかもしれません。
ただし、次の理由からそれほどお勧めはしていません。
申請書はありますが、その申請書につける書類が多くなる登記が多いためです。
それであえておすすめしていません。
ネットで詳しく調べたり、法務局の登記相談を受ける回数やそのための時間がかかるかもしれませんが、手間と時間がかけられる人はチャレンジしてみてください。
オンライン申請を自分ですることについて
法務局のホームページをご覧いただくと、オンライン申請がおすすめされていますが、私はお勧めしていません。
オンライン申請を使うことができば、確かに法務局に行く必要はなくなりますが、これを使用できるようになるまでの手間が大変なのです。
オンライン申請用ソフトのダウンロードと、その使い方を理解するための時間的コストがかかります。
法務局が用意したオンライン申請の方法を説明したマニュアルが、全く親切設計ではありません。
さらに、会社が申請人になる場合、オンライン申請の申請書に電子署名をするのですが、前もって、法務局から法人用の電子証明書の取得も必要になります。
登記申請を書面でする方法、窓口で提出する方法の他に郵送申請という方法もありますので、法務局窓口に行けない方は郵送申請をした方が良いと思います。
まとめ
最後にまとめたいと思います。
- 電話相談で自分がするべき登記を特定する
- 申請書は法務局ホームページの申請書のページでダウンロード
- パソコンで記入した後に、法務局の相談窓口に予約してから訪問して相談を受ける
- 相談内容を受けて書類を修正して登記申請する
ありがとうございました
今回は、司法書士に頼らずに自分だけで登記をする方法について、ポイントを絞って解説いたしました。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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