相続登記の費用はいくらが多いのか?その疑問に答えます【実際のデータも初公開】

相続登記の費用

司法書士事務所を運営していますと、このような質問をお受けすることが多いです。

「不動産の相続登記の費用ってどれくらいかかりますか?」というものです。

とてもざっくりとした質問で、一言でお答えすることが難しいですが、今回はその疑問にお答えしていきたいと思います。

この記事の筆者について

司法書士事務所を開業して、今年(2020年)で10年経ちました。

日々の業務をおこなっていて、感じたこと考えたことをブログに書いています。

この記事の概要

当事務所で取り扱った相続登記費用の集計結果【オリジナルデータ】

下のグラフは、相続登記のご依頼をいただいたときに、1つの案件で「報酬と実費の合計額」がどれくらいになっているのか集計したものです。

↓過去5年間の数字を集めました。

当事務所の集計結果
出所:当事務所の過去5年間の相続登記案件より

見てのとおり、

1番多い金額は、10万円代になりました(42%)。

10万円台と言うのは10万円以上、20万円未満ということです。

2番目に多いのが、10万円未満のところです(26%)。

合わせると、

当事務所の相続登記案件のおよそ3分の2は、20万円未満で済んでいると言うことです。

10万円未満(42%)と、10万円台(26%)の割合を合わせると、合計68%です。

その一方で、相続登記費用が60万円とか80万円以上かかっている案件もあります。

なぜ、このように費用が高額になる案件が出てくるかといえば・・・

相続登記にかかる費用のうち、大半が「登録免許税」という税金だからです。

相続登記の費用の大半は登録免許税です

相続登記を法務局という役所に申請するときに、「登録免許税」という税金を納める必要があります。

ちなみに、登録免許税は土地や建物の固定資産評価額に対して「0.4%」の税率でかかってきます。

例:固定資産評価額が1,000万円でしたら、税率0.4%をかけると4万円になります。

土地・建物の「固定資産評価額」が高い地域は、登録免許税が高くなりますし、低い地域はその逆です。

固定資産評価額とは、その不動産が所在する市区町村役場が、固定資産税などを徴収するために定めた不動産の評価額のことです。(実勢価格とは別ものになります。)

固定資産税の納付通知書といっしょに「課税明細書」という書類も送られてきます。この「課税明細書」に土地・建物の固定資産評価額が書いてあります。

ところで、当事務所の相続案件は、ほとんどが東京都以外の地域に不動産がある案件ばかりです。

たとえば県名を言いますと、関東であれば千葉県・茨城県・神奈川県・・・遠い地域だと九州の不動産もあります。

どの案件でもほぼ共通しているのは、依頼者の親が住んでいた実家であることです。

依頼者の実家が「大都市ではないところ」にある場合

東京には、昔から住んでいる人もたくさんいますが、その一方で、地方から移り住んできた人もいっぱいいます。(ちなみに、筆者も移住組です。)

そして、地方から移り住んできた人の「実家」の土地・建物はどこにあるかと言えば・・・当たり前ですが、その人の出身地にあります。

一般的なお話しになりますが、東京のような大都市と比べると、「大都市ではないところ」にある不動産の固定資産評価額は、それほど高くないことが多いです。(もちろん、地域にもよります)

というわけで、東京に移り住んできた方の実家の相続登記の費用は、思ったほどは高くならないことが多いのです。

ところで、当事務所は都内にありますので、23区にある不動産の相続登記のご依頼もあります。

都内の一等地とか、あるいは、都内のマンションを何部屋か持っているケースだと、登記費用も高額になってくることあります。

相続登記の費用が高くなるケース

相続費用が高くなるケース

相続登記をするときに、費用が高くなってしまう「3つのケース」について解説してみたいと思います。

1.固定資産評価額が高いケース

単純に、固定資産評価額が高額である場合は、その分だけ登録免許税の金額も高くなります。

土地が広かったり、建物が新しくて面積が広ければ、その分だけ評価額が高くなるのが通常です。

逆に、土地が狭ければ税金が少ないのかといえば、全てのケースでそうだとはいえません。

土地が狭かったとしても、たとえば東京の都心近くでしたら、固定資産評価額ベースで「1坪あたり100万円以上」する土地はざらに存在します。もっと高い土地もたくさんあります。

何度もお伝えしていますが、相続登記の費用は、固定資産評価額によって大きく左右されます。

気になる方は、お住まいの市区町村から毎年送られてくる固定資産税の「課税明細書」を確認して、計算してみましょう。

2.不動産が複数存在するケース

亡くなった方が、不動産を「複数」持っているケースがあります。

私が取り扱った相続登記は、ほとんどの場合は一戸建ての住宅だけというものですが、中には複数の不動産をお持ちの方もいらっしゃいます。

たとえば、「マンションを2、3部屋」持っている方とか、「自宅」と「アパート」と「別荘」を持っているいったケースですね。

そのような場合は、それぞれの所在地ごとに登記の費用がかかります。

もし、司法書士に相続登記を依頼したときは、不動産の所在地が増えると報酬も加算されることが通常です。

というわけで、不動産を複数お持ちでしたら、相続登記の費用も高くなりがちです。

3.兄弟姉妹・甥っ子・姪っ子が相続人になるケース

最近は、相続人が「兄弟姉妹」だったり、その兄弟姉妹もすでに亡くなっていて、その子供である「甥(おい)」、「姪(めい)」が相続人になるケースがよくあります。

そのような場合には、相続登記をするために集める「戸籍謄本」の枚数が多くなりますので、その取得費用もかかりますし、その手間も結構大変になります。

司法書士といった専門家に手続きを頼んだ場合は、その手間賃分の報酬がかかることが通常です。

一般的には、相続人が「甥」・「姪」ばかりになって人数が多い場合には、費用が高くなることが多いですので、その点もご留意下さい。

まとめ

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