司法書士浪人しても大丈夫でしょうか?【合格者はほとんど浪人です】

司法書士浪人ってダメですか?

今回は、司法書士浪人というテーマでお話ししたいと思います。

「司法書士試験を受験して合格できずに受験浪人になっても大丈夫だろうか?」

「合格してから、司法書士事務所への就職は年齢的に大丈夫なのか?」

「浪人生活を長引かせないためには、どのようなことを気をつけた方がいいのか?」

今回はそんな疑問にお答えします。
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この記事の筆者

司法書士事務所を開業して、あっという間に10年以上経ちました。

日々の業務をおこなっていて、感じたこと考えたことをブログで述べています。

この記事の概要

というわけで、今回の記事のトピックはこんな感じです。

司法書士浪人は全く珍しくない

司法書士浪人はまったく珍しくありません。

理由としては、一つめは、ほとんどの方は何回も受験してようやく受かっていること、二つめは、合格レベルまで実力を上げるまで学習時間がかかるからです。

このトピックでは、この二つについて解説します。

受験回数が多い試験浪人がほとんどを占めている

ここでは、司法書士試験に合格するまでの受験回数のお話をしたいと思います。

司法書士試験の受験生の中には、一発合格、つまり1回目の受験で受かる人ももちろんいます。

ですが、ほとんどの合格者が2回以上の受験をして合格していますので、司法書士浪人になってもへこむことはありません。

ちなみに筆者は4回目の受験でようやく合格までたどりついたような普通の人です。

合格まで何年もかかっても、それは当たり前と言いますか、ありふれたお話です。

これを裏付けるデータもありまして、資格予備校が合格者から取ったアンケート結果があります。(LEC2020年度司法書士試験 合格者データ)(↓)

これは、2020年度の司法書士試験になりますが、試験合格者のうち受験回数が2回以上の割合を見ると、およそ9割を占めています。

1回で合格できた方がおよそ1割(上記グラフでは約9.7%)です。

短期合格できる方も少なからずいますが、ほとんどの方は何回も受験して合格にたどり着いています。

合格者の受験回数のデータを見ると、何回も受験して合格した方が大半ですので、たとえ司法書士浪人になったとしても特に不思議なことではありません。

司法書士浪人になってもそれは普通のことなのです。  

3000時間説・実力養成にそれなりの時間はかかるお話

先ほどのお話では「大半の方は2回以上受験して合格しています」と言いましたが、これには理由があります。

ある程度、司法書士試験に関心がある方はご存知だと思いますが、司法書士試の試験範囲は11科目あります。

しかも、11科目という広い出題範囲なのに、正解率がおよそ8割近くを求められます。

ですから、広い出題範囲で正解率を高めていく、その実力をつけるためには学習時間がかかる、ということなのです。

じゃあ、どれくらいの学習時間がかかるのかといえば、合格までの学習時間は一般的には3000時間と言われています。

でも、なぜ3000時間という時間がかかると言われているのか、そのことについて、要点だけをお話したいと思います。

一日8時間学習すると1年間でおよそ3000時間になる

1日8時間  ✖︎  365日(1年)=2920時間

1日4時間  ✖︎  730日(2年)=2920時間

たとえば、1年間で合格したいのでしたら、一日8時間を学習時間に充てられる人は、8時間✖︎365日=2920時間学習できることになります。

まあ、計算上は3000時間に少しだけ足りませんが、だいたい3000時間くらいになります。

毎日8時間以上を学習時間と言いましたが、これだけ時間を作ることができる方といえば・・・そう、専業受験生ですね。

でも大抵の方は仕事や家庭のことがあったりして、そこまでの学習時間を取るのが難しいかもしれません。

じゃあ、2年間だったらどうなのか?そう考えますと、1日平均4時間以上の勉強時間という計算になります。会社に勤めていたり、アルバイトをしているような方の勉強時間になります。

でも実際のところ、フルタイムの仕事をしながら4時間以上の学習時間を取るのって、けっこう大変です。

筆者も司法書士として普通に働いていますので、働きながら学ぶことの大変さはよくわかっているつもりです。

そうなると、仕事のある日以外の休日にどれくらい学習時間を作ることができるのか?ということが大切になってくると思います。

この記事では学習時間の配分について細かいお話はしませんが、当ブログの別の記事(【3000時間説】司法書士の試験合格のために必要な勉強時間について考えてみた)で解説しています。お時間がありましたらそちらの方もぜひご覧ください。

ということで、司法書士試験というのは、11科目の出題範囲で8割近くの点数を取っていく試験です。

そこまで実力を上げていくために、一般的に3000時間くらいかかると言われている、というお話でした。

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浪人生活で年齢を重ねても就職はOK

浪人生活で年齢を重ねても就職はOK

先ほどのトピックでは、司法書士浪人は全く珍しい話ではありませんよ、ということをお話ししました。

「でも合格まで何年もかかるとそれだけ年を取ってしまうけど、司法書士事務所に就職はできるのか?」

「他の司法書士と仲間になれるのか?」

そのような疑問についてお答えしたいと思います。

合格者の平均年齢も40代

司法書士試験合格者の平均年齢

2021年度41.79歳
2020年度40.02歳
2019年度40.08歳

最初に言いますと、司法書士試験の合格者の平均年齢はコンスタントに40歳代になっています。

司法書士試験の合格者の平均年齢はおよそ40歳です。2019年〜2021年の3年連続で40歳を超えています。

試験合格者の平均年齢が40歳になっているというのは何を意味するのかといえば、たとえば20代のように若い人でなければ司法書士事務所に就職できないかといえば「そんなことはありません」ということです。

合格者全体の中で見ると、もはや20代の合格者の割合は2割未満になっています。

ですから、採用する側の司法書士事務所も、年齢だけで採用活動をすると誰も事務所に来てくれません。

合格者の平均年齢がどんどん高くなっていることから、司法書士事務所サイドも、30代・40代の採用については、昔と比べるとかなり許容がすすんでいます。

筆者(40代)の知り合いの司法書士のお話をしますと、筆者と同年代とか、むしろ少し年上の司法書士が何人もいますが、ぜんぜん問題なく司法書士事務所に就職できています。

ということで、合格者の平均年齢が上昇を続けていますので、事務所サイドも年齢にこだわっていると応募してくる司法書士がゼロにになってしまいます。

司法書士浪人が長くなって、合格したあと司法書士事務所に就職できるか心配な方がいましたら、その答えは「あまり気にせずに司法書士事務所に応募しても意外と大丈夫ですよ」ということをお伝えしたいと思います。

司法書士の平均年齢は50代

受験浪人が長くなって、ちょっと歳をとってしまったけど、他の司法書士の間に入っていけるかどうか気になる方がいましたら、ぜんぜん気にする必要はありません。

というのも、2020年のデータによると、現役司法書士の平均年齢は53.7歳となっています。

ちなみに、司法書士は40歳以上の方がほとんどを占めていまして、40代から90代までの司法書士を合わせると全体の8割以上となっています(83%)。

筆者もそのことは実感してます。

司法書士になると、所属する司法書士会によって定められている「研修単位」を毎年取得することになっています。

その研修は、だいたいは大学の先生とか弁護士・司法書士のような専門家である講師の講演会・セミナーを受講することになるのですが、研修に出席するとほとんど中高年の司法書士しかいません。

しかも筆者より年上と思われる人ばっかりです。

50代とか60代とかそれくらいの方が多いよなあ・・と感じます。筆者なんてひよっこですね。

そんな状態ですから、受験浪人生活が長くなってちょっとぐらい歳をとってから合格しても、まわりの司法書士は中高年だらけですから、まったく気にすることはありません。

受験浪人を長引かせない対策

受験浪人を長引かせない対策

ここでは「仕事とか家庭生活をなるべく変えずに、どのようにして受験浪人を短く終わらせるのか?」

そのことをお話しします。

学習に注ぎ込む時間を作る

司法書士浪人を早めに卒業したいとお考えの方は、できましたら、あなたが自由に使えそうな時間はすべて学習時間にぶち込むことをおすすめしたいです。

というのも、司法書士試験は11科目の分野について正解率8割くらいを目指す試験ですので、それだけの実力をつけるためには、毎日10分とか20分くらいのラクラク学習では時間が足りないからです。

勉強生活中心のいわゆる専業受験生でしたら、毎日8時間くらいかそれ以上の学習時間を取れると思います。

でも、フルタイムのお仕事をされている方でしたらそこまでの時間はなかなか取れないです。

そうなると、お仕事をされている方は、お仕事が始まる前か、お仕事が終わった後か、お休みの日である休日に学習時間を作ることになります。

お楽しみは後ずらしする【すべてやめるわけではない】

「学習時間を確保する」というのは当たり前のお話かもしれませんが、実際にやってみるとそんなに簡単ではないはずです。

というのも、大人にはいろんな誘惑があるからです。

どんな誘惑があるかといえば、たとえば、こんなものがあります。

このような誘惑はけっこうあると思います。

「じゃあ、お楽しみの時間は全部やめてしまって、勉強ばっかりすればいいの?」という疑問が湧くと思いますが、そんな極端なことを言いたいのではありません。

お楽しみを全部やめるわけではありません。あなたの中で優先順位をつけるのです。

たとえば、先に司法書士になるための学習時間を設けて、そのあと、自分のお楽しみの時間を過ごしましょう、というご提案になります。

考え方を変えますと、お楽しみの時間はすこーしだけ後にずらして、その前に学習時間を取るようにすれば、学習とお楽しみの両方をすることができるのではないか、という時間の使い方ですね。

お楽しみは後にしておいた方がより楽しめると思います。

スクールの活用も考える

司法書士の受験を考えている方の中には、市販のテキストと問題集を自分で買ってきて、あとは独学で合格したいと思っている方もいます。

その行動力はもちろん素晴らしいことだと思いますし、実際に独学で合格している人もいます。

でも、テキストを読んで問題集を解いてみたけど、学習の初期段階で次のようなお悩みを持つこともあるかもしれません。

そんなときは資格予備校とか、最近ではオンライン専門の資格スクールもありますので、思いきって活用してみるのもいいかもしれません。

筆者は予備校とかスクールの回し者ではありませんが、もし司法書士試験の学習をしていて、何か大きな壁を感じるのでしたら、受験産業が提供しているカリキュラムを利用してみることをおすすめます。

もちろん、受講するにはお金がかかりますし、講義を受けるための時間もかかります。

でも最近だと、オンライン専業でサービス提供するかわりに「受講料がお安めのスクール」がいくつもあります。

スマホでいつでもウェブ講義を視聴できますので、わりと気楽に利用することができます。

あと、資格予備校やスクールの受講生になると、講師に質問ができたりするサービスが大抵はついてきます。

この質問制度を使えば、ひとりぼっちの司法書士浪人(ぼっち浪人)になることを防ぐことができますので、これは便利だと思います。

ということで、もし独学の勉強が進まない!という方がいましたら、スクールを使ってみるという選択肢も考えてみることをおすすめします。

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試験は毎年やっています

ここまで、「学習時間のバランスの取り方」・「独学もいいですがスクールの活用もありますよ」というお話をしました。

でもその一方で、仕事がとても忙しくて勉強時間を作ることが難しいとか、家庭の事情で勉強どころではないよという方もいると思います。

もしそんなご事情があるのでしたら、試験勉強はいったんおやすみしてもOKだと思います。

筆者も仕事そっちのけでブログを書いているわけではありません。

仕事の合間に執筆をしていますので、仕事が立て込んできたりプライベートでも大切な用事があれば、ブログ執筆はもちろん後回しです。

それと同じことで、学習時間をむりやり作っても勉強に身が入りませんので、そんなときにはすっきりとお休みしたほうがいいと思います。

司法書士試験は毎年おこなわれていますので、受験できる年度に受験すればいいと思っています。

いったん休んだとしても、いつでも戻ってくることはできます。

その逆に、学習を続けることができる恵まれた環境にいる方でしたら、そのまま学習を続けましょう。

大きな災害や、疫病の流行があった年でも司法書士試験は休まずに実施されていますので、合格できるチャンスは毎年やってきます。

まとめ

今回は、司法書士浪人というテーマで

というお話をしました。

この記事を最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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