【3000時間説】司法書士の試験合格のために必要な勉強時間について考えてみた

今回のお話の対象となっているのは司法書士試験をこれから始める人、または、ちょっと手をつけた人向けになっています。

ネットで司法書士なるための勉強について調べていると、「3000時間必要」という記事をよくみますが、これについての解説になります。

さらに、働きながら勉強するために確保したい時間、勉強のために必要な書籍についてもお話しします。

この記事の筆者

司法書士事務所を開業して、今年で10年経ちました。

日々の業務のおこなっていくなかで、感じたこと考えたことをお話ししています。

この記事の概要

「3000時間説」にそれなりの意義はある

結論から言いますと、3000時間という数字にはそれなりの意義はあります。

インターネットで調べると、「司法書士試験に合格するためには3000時間の学習時間がかかる!」みたいなことがよく書かれています。

この3000時間と言う数字に、どんな根拠があるのかと言うと、

たとえば、1年間で合格したいのでしたら、一日8時間、365日毎日勉強すると2920時間になります。

計算上は3000時間に少し足りませんが、およそ3000時間くらいになります。1年間、毎日8時間以上の学習ですから、もはや専業受験生ですね。

2年間でしたら、1日平均4時間以上の勉強時間という計算になります。会社に勤めていたり、アルバイトをしているような人の勉強時間になります。

いずれにしても、毎日、勉強をして過ごしている状態ということになります。

司法書士試験というのは8割近くの点数をとって、合格率およそ3パーセントの枠に滑り込んで、ようやく合格できる試験です。

たとえ2年でも3年でも、それなりに勉強を続けていると、結果的には3000時間とかそれ以上になってしまいます。

というわけで、「合格するためには、これくらいは頑張りましょう」という意味では、3000時間という数字にはそれなりの根拠はあります。

筆者はどのような受験生活を過ごしていたのか?

私のケースになりますが、受験生時代は、毎日半日くらいのアルバイトをしながら、残りの時間は司法書士の勉強に費やしていました。

それでも、合格まで4年間かかってしまいました。

おそらく3000時間は、余裕で超えてしまっているのではないかと思います(ぜんぜん偉くない)。

もちろん、3000時間というのはあくまでも一つの目安に過ぎません。

記憶力が優れている方や、勉強のやり方が上手いかたはもっと少ない時間で済むかもしれませんが、3000時間くらいは勉強すると、合格にグッと近づきますよ!という「目安」として考えたらいいんじゃないかなと思ってます。

専業受験生でなくても合格します

「専業受験生でないと、合格は難しいのか?」というお話しですが、そんなことはありません。

専業受験生ではなくても、合格している人はいっぱいいます。

私が知っている合格者の中にも、一般の会社、たとえば銀行とか保険会社に勤めていた人や、あるいは、司法書士事務所で「フルタイム」で働きながら合格した人は何人もいます。

あと、これも私の体感ですが、合格者を見ていると、天才肌と言うよりは、コツコツ努力を続けて、だいたい3回目とか、4回目の受験で合格した人が多いように感じます。

統計上も、合格者の受験回数は、1回から4回までがおよそ半数を占めている状態です。(約49.5%、出典:LEC「2019年度司法書士試験合格者データ」)

約半数が4回以内
出典:LEC「2019年度司法書士試験合格者データ」

つまり、しっかりとした勉強時間を作って、諦めずに学習を続けてきた人が、合格する可能性を持っている印象があります。

もう一つおまけで言いますと、合格する年は、本当に真剣に、モチベーションを高く保って、机にかじりついて勉強した人が合格しています。

合格した人の様子を見ていると、そのように感じます。

今年絶対に合格したいので、必死になって勉強した人、そいういったが合格していますね。

というわけで専業なのか兼業なのか、そんなバイアスに縛られることなく、勉強時間を捻出して学習を続けることに意味があると考えています。

働いている人はいつ勉強するのか?

働きながら司法書士になるための試験勉強をしたい方は、実際のところ、「いつ」、「どれくらい」勉強すればいいのでしょうか?

簡単に言いますと、「余っている時間は、ほとんど勉強にぶちこむ」勢いです。

毎日の仕事が終わってから、本当は2、3時間くらい、あるいはそれ以上時間が取れるとベターなのですが、食事やお風呂、翌日にそなえるための睡眠時間などを考えると限度はあります。

「仕事が忙しくて勉強できないよ!」という日もあると思います。

できれば、そんな日であっても、30分でも、1時間でも勉強時間を確保したいところです。

その一方で、休日は朝から晩まで学習時間にあてたいところです(できれば)。

もちろん、社会人だと休日でもいろいろ用事があると思いますが・・・用事をこなしながらも、なるべく終日勉強にあてる環境を整えることをおすすめします。

そのぐらいの勢いで勉強すると、その年に受験した本試験は今までとは違う手応える感じるはずです。

セオリー・定石に乗った勉強法をする

勉強のやり方も大事なポイントになります。

当たり前の話になりますが、がむしゃらに勉強時間を追求すれば良いとは言えません。

それなりの「セオリー」や「定石」に乗った勉強の仕方はあります。

この二点をひたすら繰り返していくことが、最も大事なポイントだと確信しています。「インプット」と「アウトプット」ですね。

良質なテキストを選ぶ

勉強するのでしたら、良質な基本書(テキスト)で学習することをおすすめします。

たとえば、いくつかの受験予備校から出版されているテキストは、本試験の出題範囲内のことが書いてあります。

当たり前のことですが、出題されないことを、いくら勉強しても全く点数につながりませんので、出題範囲から外れた情報は書いてありません。

受験生の中で、「試験に出ないどうでも良いところを、時間をかけて勉強してしまう人」もいますので、基本書(テキスト)から外れて、趣味みたいな勉強をしないように、ときどき気をつけたほうが良いです。

テキストの重量感については許容しましょう

司法書士試験の基本書(テキスト)って、だいたいどれも分厚くて、重いですが、ある程度は受け入れなくてはならないと思っています。

きちんとした内容の基本書でしたら、どうしてもそれなりに厚めのテキストになります。

厚さが重要だと言いたいわけではないのですが、初学者の方が、法律の全体像を理解しながら、本試験の問題が回答できるようになるためには、ある程度網羅的に取り上げているテキストがおすすめになります。

そのため、内容が充実したテキストは、どれもそこそこ分厚くなってしまいますので、テキストの重量感については許容しましょう。

勉強するためには少なくともこの書籍が必要

司法書士試験対策の勉強をするために、これだけは用意したほうが良い書籍についてお話しします。

ここを深掘りすると、ものすごく長い文章になってしまいますので、簡潔にお伝えします。

そろえるべき書類の「最小構成例」です。

基本書(テキスト)

まず必要になるなものは、基本書(テキスト)です。

基本書は、「択一問題対策」のテキストと、「記述式問題対策」のテキストに分かれます。

司法書士試験は、択一式と記述式の問題が出ますので、両方に対応できるようにテキストについても準備が必要になります。

先ほどの「良質なテキストを選ぶ」の項をご参考にして選んでみてください。できれば、大きめの書店で手にとって、選ぶことをおすすめします。

過去問題集(過去問)

次に、過去問題集です。

過去問題集とは、過去の本試験で出題された問題を、分野別に整理したものです。

過去問の解答のページのところに「解説」がついていますので、わからない問題があってもその場で覚えることができます。

テキストでインプットした知識を、アウトプットできるようになるために必要になります。

六法は登記六法・判例六法の2種類

あと、六法も必要になります。

法律の勉強をするわけですから、基本書を中心に勉強すると言っても、いつでも条文を見れるようにしておきたいです。

インターネットで法律の条文を検索できますが、情報としては不十分です。

試験対策で用意することになる六法には、「登記六法」と「判例六法」の2種類があります。

いずれも持ち運びに適したサイズのものが市販されていますので、書籍のレビューなどを参考にして決めた方がいいです。

「登記六法」には、司法書士がよく参照する法律をピックアップして掲載してあります。

「判例六法」は、条文の横に、過去の裁判例の中でも重要なものが書いてあるものです。

判例六法は、ズバリの名前の「判例六法」とか「法務六法」が有名どころになります。

書籍への出費は必要経費です

「基本書(テキスト)」、「過去問題集」、「六法」といったものを全部そろえると、最終的には数万円はどうしてもかかってしまいますが、これは最低限の必要経費として支出は避けられません。

もし、もう少し金銭的な出費がゆるされるのでしたら、資格予備校に通学したり通信で受講することもできますし、オンライン学習サービスを利用して勉強する方法もあります。

最近は便利なオンライン学習サービスがいくつもあります。

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答案練習会・模擬試験で実力を試しましょう

学習がある程度進んでいる方は、これも有料になりますが、資格予備校で実施している答案練習会(略して答練)は、かならず受けることを強くおすすめします。

答練とは、かんたんに言うと「模擬試験」のことですね。

有名どころの資格予備校でしたら、毎年、複数回開催しています。

これは、現時点のあなたの実力を客観視するためのバロメーターになります。

答練に出てくる問題は、答練の主催者がよく練りあげて作ったオリジナル問題ですので、過去問を解くだけでは得られない新鮮な経験を得ることができます。

「まだ模擬試験を受ける実力なんてないよ!」なんてことは思わないで、恥ずかしがらずにどんどん受けていきましょう。

※模擬試験でしたら規模・実績ともにLEC一択です。
LECオンラインショップ(E学習センター)

まとめ

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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