司法書士は食えない!というよくある口コミについて考えてみた

「司法書士は食べていけない!」というネットの口コミは、昔からよく見かけますが、本当にそうなのでしょうか?

「司法書士の資格を取得しても食べていけるのか?」

「司法書士を開業してどのように仕事を得ているのか?」

そんな疑問にお答えします。

この記事の筆者

2010年に司法書士を開業してから早くも10年目になりました。

これまでにいろいろとありましたが、現在も元気に営業しています。

この記事の概要

司法書士の有資格者は就職できる

司法書士の資格を持つことができましたら、就職先はたくさんあります。

ネットとかの口コミ情報をみると「司法書士は食べていけない」という書き込みが山のように見つかりますが、実際には司法書士は食べていけます(キッパリ)。

司法書士の求人情報をご自分で探してみてください。結構いっぱいありますよ。

見つけ方はつぎのとおりです。

  1. 司法書士会のホームページで求人情報を見てみる。(地域によっては、求人情報が公開されていない場合があります)
  2. 民間の転職エージェントのホームページで検索してみる。

関連記事:司法書士向けの転職サイト3選+事務所タイプ別の見分け方

お住まいの近くに求人があるかどうかは分かりませんが、エリアは広く探した方が見つかりやすくなります。

私も最初は地元の福岡で探していましたが、東京に出てきて事務所に就職しましたよ。

じゃあ、開業したら食べていけるのか?

おそらくですが、この記事を見ている方の中にはこのように考えている人がいるはずです。

「いや、司法書士事務所に就職するんじゃなくて、自分で事務所を開業したときに、仕事ってあるのかな?食べていけるのかな?」という疑問です。

そうですよね。その気持ちは私も分かります。

開業エリアはよく考えた方が良い

激戦区を避けて開業すれば、生き残る可能性を高くすることができます。

かんたんに言えば、ライバルがわりと少ない地域をねらう方法です。

これは、ものすごい郊外で開業しましょう、という意味ではありません。都会の中でもなんとなく司法書士が少ない地域はあります。

たとえば、ヤフーとかグーグルのマップってありますよね。「司法書士事務所」という検索ワードで、どのくらいマップに表示されるのか見てみると、興味深い結果を見ることができます。

「あれ・・・意外と少ないよなあ。」と思えるエリアが見つかることがあります。

司法書士事務所って、登記を取り扱っている法務局の近くに多いですが、べつに何がなんでも法務局の近くに事務所をおく必要はないはずです。

都会に事務所を置きたいとき

都会だと、法務局の近くよりは、電車・地下鉄の駅から徒歩圏内に事務所を置いた方が、お客さんにとっては利便性は高くなるかもしれません。

たとえば、私の事務所は都内の千代田区にありますが、駅から何分歩くのかは気にして立地を選びました。電車で移動しますので、アクセスは良い方が好ましいからです。

その一方、法務局からの距離はそれほど気にしていません。むしろ法務局からは離れたところです。ですがおかげさまで、競合となる司法書士事務所は割と少なめです(開業当初のお話し)。

もちろん競合がゼロということはありませんが、近隣の潜在的なお客さんからのお問い合わせは期待できます。これはホームページで集客するときに有利に働くのですが、このことはあとでお話しします。

郊外に事務所をおく場合

郊外に事務所を置くケースですが、みんな自動車で移動します。移動手段として電車・バスを使うことは少なくなります。

ということは、法務局の近くとか、駅の近くといった公共の機関からの距離ってそんなに問題になることはないはずです。

というわけで、司法書士事務所がぎっしりひしめいている法務局の目の前とか、都会のオフィス中心街にこだわらずに、立地を考えた方が得策ですね。

どうやって仕事を得ているのか?

あなたの事務所のお近くにある「不動産業者さん」にはご挨拶した方がいいですね。

理由はもちろん、司法書士にとって不動産登記のお仕事を紹介していただけるかもしれないからです。

近くの不動産業者さんと言いましたが、すぐ近くだけという意味ではありません。少なくとも数十件はピックアップして、挨拶回りにいくのです。

挨拶回りと言えば聞こえはいいですが、要するに「ちょっとした飛び込み営業」ですね。

訪問のときに手ぶらだとまずいので、「名刺」と「ペライチ(A4サイズ1枚)のチラシ」くらいはあらかじめ作って、訪問したときに置いていくようにしましょう。

「いきなり訪問しても大丈夫だろうか?」と思うかもしれませんが、結論を言うと問題になったことは皆無です(経験談)。

しかも、訪問してもひどい扱いを受けることはなかったです。

むしろ、知らない司法書士が、いきなりやってくることは珍しいみたいで、わざわざ社長さんや店長さんが出てきてくださることもありますよ。

ただし、すぐに仕事につながることは少ないです。数十件訪問して1、2件興味を持ってもらえればそれでオッケーです。

訪問は1回だけではなくて、少し期間をおいて数回やってみた方が効果は高くなりますよ。

ホームページは作った方がいいですね。

「事務所のホームページ」を作ることを強くおすすめします。

1ページだけのホームページでもいいですから、とりあえず作りましょう。

これは大事なことですが、ホームページの中には必ず「お問い合わせページ」を設置してくださいね。

たまにメールアドレスだけを載せている事務所がありますが、お問い合わせしたいと思っている人から見ると、心理的な敷居が高いです。さらに零細事務所感も出てきてしまいますので、メルアドだけの掲載はおすすめしません。

ホームページを作ったら「お問い合わせページ」もぜひ設置しましょう。

関連記事:ドメインとレンタルサーバーの組み合わせで悩まない【オススメあり】

ホームページから問い合わせってあるのか?

ホームページからの反響は実はあります。

司法書士業に全然関係ない問い合わせが多いのですが、もちろん仕事につながる問い合わせも入ってきます。

私の事務所のケースになりますが、1番多いのが「会社の登記」の問い合わせです。しかも、わりとご近所の会社さんからのお問い合わせがほとんどです。

次に多いのが「個人が、自宅や投資用の不動産を購入するときの不動産登記」についての問い合わせです。

お問い合わせの中で聞かれることが一番多いのは、「登記にかかる費用・報酬がおいくらになるか?」という質問ですね。

こんなときは見積もりを出すための必要情報を聞いて、すぐに対応してあげると親切ですね。対応が早いと喜んでもらえます。

ありきたりですが人間関係が大事です

そのほかにも、あなたが持っている人間関係から仕事が来ることがあります。

以前の仕事仲間、同僚、先輩、上司、外部の取引先といった人たちです。もちろん、良好な人間関係を築いていることが前提になりますが。

本当に来るのかと言えば、来ます。

たとえ、すぐに仕事の依頼は出てこなかったとしても、しばらく時間が経つと、あなたの知り合いの人たちも転職したりして、士業に仕事を依頼する立場になったり、悲しいことですが勤めていた会社がつぶれてしまったので、自分で会社を立ち上げて事業を始めたりすることもあります。

そんなとき、あなたの顔が一番最初に浮かぶようにすれば、仕事につながることは結構あります。

とはいえ、顔を忘れられないために、何かにつけて会おうとしても相手も面倒に感じるかもしれませんので、ここで利用するのはハガキやメールを使ったリマインダー戦法です。

「開業のお知らせ」はもちろんですが、それ以外でも「年賀状」、「暑中見舞い」といった古典的な方法があります。

ですが、これだと一年に2回しか出せませんので、それ以外にも季節のお便り的なハガキを出していれば、あなたの顔を思い出してもらえるリマインダーとして効果が出るでしょう。

最近は虚礼廃止とかいって、このような季節のレターは廃れていく向きがありますが、開業当初はぜんぜん気にせずに出していきましょう。

メールマガジンを定期的に送信するのもいいですね。文案を作る手間はかかりますが、そんなに長文でなくてもいいですし、経費もほとんどかかりませんので、とてもエコノミーです。

「いまどきメール?ていうか、迷惑メールとして嫌がられるんじゃないか?」と思うかもしれませんが、「有益な情報」つまりお役立ち情報が書いてあれば、読んでくれる人は読んでます。

第一の目的は、あなたの事務所が存在していますよ!とお知らせすることですので、実際のところ、詳しく読んでくれなくてもいいのです。

というわけで、開業当初は、あなたの顔を真っ先に思い出してもらえるように、なんらかの定期的なレターを発行することは、わりとおすすめできます。

まとめ

試験に合格しても食べていけないと思っている人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。

とくに事務所に勤めるのでしたら求人情報はたくさんありますので、いろいろ当たってみてチャンスをつかみましょう。

開業しても食べていけるのか、それは誰も約束できないことですが、営業活動的なアクションをどんどん積み上げて、生き残る可能性を高めることは誰でもできます。

軌道に乗るまでどんどん試行錯誤してみましょう。

最後までご覧いただきましてありがとうございます。

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